「ロータリー理解月間によせて」
ロータリーの基本は例会出席から


RID2840 クラブ奉仕委員長 金井 栄則
(桐生赤城RC)


 ロータリーをエンジョイするにはロータリーの哲学をよく認識することであり、ロータリーの良さ、素晴らしさを良く知らないと、ロータリアンとして常に不安である。
 1月は1年の始めの月で、「ロータリー理解推進月間」ですので、この年の始めにもう一度ロータリーを理解してロータリーを自らの心の癒しにして、職業人として行動していただきたい。
 最近ロータリーの認識の欠如がロータリアンの中にも感じられる。「迷った時には原点に帰れ」という言葉があるので、ロータリーを熟知されている方々には大変申し訳ありませんが、入会されて5年以内の方々には理解していただきたい。
 1905年2月23日 青年弁護士ポール・ハリス氏が創られたクラブを考えて見ますと目的は二つありました。一つは現代の社会と同様に心が癒されない時代に、ストレス、孤独感、同業者への疑心暗鬼等の毎日、このような状態からなんとか逃れる為に職業人が互いに慰めあい、扶け合う目的のクラブが欲しいと考えた。
 もう一つの目的は、職業を大きく分けると企業経営者(商人)と専門職業人の二種になる。この二つの職業は本質が異なるから相互の協力が考えられなかった。
 企業経営者は金銭獲得を目的とするのに対して、専門職業人は自己の信ずるアイディアの投下をその内容として、直接金銭の獲得を問題にしないで、助言と施療を行う、それゆえに一般社会の尊敬を集めている職業人。
商人と専門職業人との間には本質上の相違を見出すことが出来ず、両者は手段や力点の相違にしか過ぎないものと考えられ、両者の相互の協力(相互扶助)を目的とするクラブを創られた。
 つまりクラブの親睦の確立の為一つの職種から一名の会員しかとれない、これが今日でもロータリー運動の主柱の考え方で(一職種一会員)の原則であります。
 それと(職業間の相異の否定)これもロータリーの重要な柱の一つです。
 始めにロータリアン達はなにを行ったか、(1)例会出席の励行、(2)会員の相互扶助、でありました。例会出席の励行は、ロータリアンの基本的義務は口先だけでなく、実行にあるとする考え方の現れであり、又会員の相互扶助とはロータリーは職業人のクラブですので、例会と例会の間に行われた会員相互間の取引を次の例会に報告する。
 例会において相互扶助の精神的相談、経営上の相互扶助まで行われた。相互扶助から生まれた親睦の精神をもって社会一般の改善に役立てようとする考え(奉仕)に到った。
 ロータリアンは例会において互いに心が触れ合い、その触れ合いから相互の啓発が生まれ地域社会の代表的職業人の境地が一段と高められ、その会得した境地が職場、家庭生活、地域一般に潤す精神面の自覚が現れる「実力を涵養し、そして境地を高めることこそ、ロータリーの真の目的であり、真の意味であります」
それはロータリークラブ活動が例会を中心に会員の精神的境地が交換されるという点にその基本的特徴をもつところから、今日でも特に例会出席を重んじております。
ロータリーを理解しようとする時一番難しい事は、ロータリーがクラブ奉仕という団体的作業と奉仕の実践という個人的作業の二つを循環的に要求している点であります。
クラブ奉仕の内容とはクラブ会員が毎週例会に出席することから始まり、そこで同僚ロータリアンとの間に親睦という心の交わりをすることを要求されている。
職業奉仕にせよ、社会奉仕にせよ、国際奉仕にせよ、新世代奉仕にせよ必ずクラブ奉仕の世界を往復したからこそ、今日のロータリーの発展がみられたと言ってもよい。
又ロータリーの全部門に通じる共通要素は(善意)又は(心の暖かさ)であります。
これを以ってロータリーの本体であると説く指導者もおります。
如何にクラブ奉仕が大切かがおわかりいただいたとおもう、クラブ奉仕(例会出席)から全てが始まるので例会出席を大切にしていただきたい。
ともあれロータリーの誕生した理由、目的等を再び知りその心を取り戻して1世紀程歩んだロータリーを考える事も、我々に今必要な一つではないでしょうか。
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