(財)ロータリー米山記念奨学会
2000年12月7日発行
今回はSY−A制度や留学生問題など学務関係のハイライトをお届けします。
1.学務委員会報告(11月21日(火)開催)
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11月21日(火),ロータリー米山記念奨学会会議室(東京)において,学務委員会が行われました。出席者7名,欠席者1名でした。
協議の中心は2002学年度に予定される「米山奨学事業の改編」です。1999年8月に実施された米山奨学事業基礎調査に基づいて開かれた理事・評議員フォーラムおよび米山委員長セミナー等での提言・提案。また,大学推薦制度施行地区の選考委員へのアンケート結果。その他,当会へ寄せられたご意見・ご要望を参考に制度改編案の検討が進行中です。
学務委員会に集められた意見・提言は2001年3月および5月の常務理事会で検討され,6月の理事会・評議員会へ上程されます。
審議中の主な項目
- 米山奨学会・奨学事業の理念・目的の明確化
- 新制度の推進(渡日前採用など)
- 奨学金制度の見直し(大学推薦制度・応募資格・奨学金額と地域別奨学金格差・割当数算出方法・地区での選考方法など)
- 世話クラブ・カウンセラー制度の強化
- 補助金の見直し
- 特別米山奨学金制度,クラブ米山(CY)奨学金制度の見直し
2.SY−A(渡日前採用)制度の実施を現地韓国・台湾に聞く
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韓国・台湾の経済発展とグローバリゼーションの波は,若者の価値観,生活様式,職業選択に大きな影響を与えています。特に都市の若者の教育への関心は,親の期待観と相まって高校・大学への進学率を高め,有名校を目指しての競争を激しくしています。また,進学・就職の進路選択が多様化するに従って海外留学熱が高くなてきました。そして,"苦学を克服して成功を勝ち取る"日本留学の時代は終わり,"黄金の道"を求めて米国,ヨーロッパへ留学する若者が増えてきました。
今年度からスタートした韓国と台湾を対象としたSY−A(渡日前採用)は,両国の学友会の存在を明らかにし,米山奨学金の権威を高める具体的なプログラムとして高く評価されています。特に,韓国人・台湾人の視点と基準で選考するSY−Aの制度に対して,信頼感と期待感が寄せられました。今回選ばれた6名は,国内および国外の大学で学位を取得し,現在教育・行政・研究機関の第一線で活躍しているエリートです。日本の受け入れ大学・機関と協同で研究の磨きをかけると同時に,日本人の友を作り,日本を理解しょうとする意欲に燃えての留学です。この制度の試行期間は3年間です。
(宮崎)
3.シンポジウム「留学生が抱える問題の解決にむけて」に参加して
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11月11日(土)に横浜市国際交流協会が主催した標記シンポジウムが開かれました。パネルディスカッションや質疑応答で,米山奨学会が抱えるのと同じ問題が取り上げられました。例えば,賃貸契約における保証人問題はその制度が問題ではなく,対応する日本人の姿勢や考えが問題であること。ありがた迷惑のボランティアなど,私たちの気がつかない日本人の対応のあり方ををあらためて反省する機会となりました。このように,留学生問題の基本は,「いかに留学生の身になって一緒に考えることができるか」にあると言えましょう。
全体討議で「帰国後,音信不通になる留学生」や「帰国せず日本で就職する留学生」に関して質疑応答がありましたが,「音信不通」は留学生問題ではなく個人的問題と考える性質のものであること,「日本での就職」は,時代とともに留学生の母国への貢献のあり方も変化しており,いずれの国にいても社会へ貢献することができるなど変化する時代と留学生のニーズに適した留学生支援のあり方が話し合われました。
(栗原・大庭)
米山月間へのご協力ありがとうございました。お陰様で寄付金は,昨年度(7月〜11月)と比較して総額で約3%上回りました。
なお,12月の特別寄付金収入の目標額は3億円です。引き続きご協力をお願い致します。
備考:寄付金収入(普通寄付金+特別寄付金)
7月〜11月 802百万円(実績)
12月〜2001年6月 1025百万円(目標)
1827百万円(予算)
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以 上
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