日本では、読み書きができるということは当たり前のことのように思われています。しかし、地球上には読み書きができない人たちがたくさんいるのです。読み書きができなければ、良い仕事を見つけることができず、貧しい暮らしを余儀なくされますが、そればかりではありません。例えば、薬の飲み方が書いてあっても読むことができないので、どのように飲んだらいいのかわからないのです。
ロータリーでは、全世界のすべての人たちが、読み書きができるよう、識字率が向上するように、さまざまな活動をしています。発展途上国のへき地の村に学校を建てたり、教科書や鉛筆、ノートなどを送ったりしています。
文字が読めないのは子どもたちばかりではありません。成人、特に女性に、文字を理解できない人がたくさんいます。おかあさんが読み書きできるようになると、その子どもたちに教えることもできるし、家計を支えるための仕事に就くこともできるようになります。このような理由から、ロータリーでは、成人女性に対する教育も支援しています。
オーストラリアの原住民であるアボリジニの人たちに英語を教えるため、同国のリチャード・ウォーカー博士がCLE(Concerned Language Encounter)という言語教育法を開発しました。ウォーカー博士はロータリアン(ロータリークラブの会員)です。CLEというのは、例えば、子どもたちなら画用紙からお面をつくったり、人形をつくったりという簡単な工作をしながら文字を教えていきます。成人の女性なら、料理や裁縫、手工芸といった実用的な、そして収入にも結びつくようなものを取り上げて、そういった作業をしながら文字を学んでいきます。
楽しいこと、実益に結びつくようなこととともに文字を学ぶことができるので、途中で挫折する人が非常に少ないといわれています。また、費用も少なく、短い期間で学ぶことができます。
したがって、多くの国のロータリアンたちは、この教育法を使って、多くの子どもたちや成人女性に文字を教えたり、先生の育成をしたりしています。
文字が読めないと良い仕事に就くことができず、生活は貧しくなります。貧しいが故に、その子どもたちは学校に通うことができず、文字を覚えることもできません。そして、良い仕事を見つけることができず、貧しい暮らしを強いられます。こうした貧困の連鎖を断ち切るためにも、ロータリアンたちは、世界中のいろいろな地域で、すべての人たちが読み書きができるよう、活動を続けています。