ジョーンズ会長の下、私たちは今歴史的な年度の真っただ中にいると共に、ロータリー会員として素晴らしいときを過ごしています。この素晴らしい年度を終わらせるのではな く、ジョーンズ会長とほかのロータリーリーダーが始めたことを土台として、その良いアイデアを前進させましょう。私がエディンバラにある私の歯科医院に通勤する際目にするフォース鉄道橋は1890年、フォース道路橋は1964年、クイーンズフェリークロッシング橋は2017年に開通しました。ビジョンを持って継続、前進し続けた事業は、建設から133年経った今も人々から感謝され続けるのです。私たちロータリーのビジョンが、奉仕を受ける人たちから感謝され続けることと同様です。
過去数年間、ロータリー会長たちはローターアクトに力を与え、それを継続することを約束してきました。その結果ローターアクターたちはリーダーになることへの熱意を示しロータリーの全面的なパートナーになりました。両者が互いに協力し支えあう新しい方法を見つけ続けられるかは、私たちにかかっています。また、ジョーンズ会長は女児のエンパワメントのプログラムをメータ会長から継続し、素晴らしい模範を示しました。私は、世界中の少女が十分な能力を身につけた女性へ成長できるよう支援することを継続することを明言します。さらに私は、ロータリーが最高の人材、アイデア、パートナーシップを受け入れるオープンでインクルーシブな組織であるために、Diversity(多様性)、Equity(公平さ)、Inclusion(インクルージョン)などDEIを全面的にサポートします。
最近、世界の主要都市でポリオが発生したことで、ポリオ根絶に再び注目が集まっています。「ポリオのない世界」という夢を追い続け、35年にわたり多くのことを成し遂げてきたロータリーを私は誇りに思います。しかし、現在ポリオ根絶キャンペーンに寄付しているロータリー会員は12人に1人に過ぎず、毎年寄付しているクラブは5分の1を下回っています。各年度に何をするかではなく、根絶をできるだけ早く実現するために必要なあらゆるリソースを私たちが提供すべき時が来ています。世界の子どもを脅かす流行がさらに発生する前にポリオ根絶を成し遂げるため、ロータリーの夢を実現するために皆さんの力が必要です。
ポリオワクチン開発者ジョナス・ソーク博士は、次のようなことを言っています。「希望は、夢を現実にしたいと強く願う人たちの夢、想像力、そして勇気の中にある。」この言葉は私たちの全ての活動に意味があり、ロータリー行動計画のあらゆる面に当てはまります。ロータリー会員に希望と、変化に必要な知識と勇気を与える行動計画。それを成し遂げるために次のことをお願いしたいと思います。
行動計画を受け入れ、実行するために現実的な方法をクラブに提供することこそが、地域社会で持続可能な変化を生む最善の方法です。そのために、皆さんには行動計画のうち次のビジョン声明を暗記していてほしいと思います。「私たちは、世界で、地域社会で、そして自分自身の中で、持続可能な良い変化を生むために、人びとが手を取り合って行動する世界を目指します。
私たちは、ロシアが始めた残忍な戦争に直面するウクライナの人びとのために過去1年間懸命な支援を行ってきました。ロータリーは過去にも歴史の呼びかけに応じ、人道支援を最優先してきました。惜しみなく寄付し、一心に仲間をサポートし、ウクライナの人びとから尊敬を集めてきました。しかし、ウクライナ人にもロシア人にも平和が実現するまで本当の心の平和は訪れません。イエメン、アフガニスタン、シリアなど世界の数十の紛争地域も同様です。平和とは希望が根づくための土壌です。人びとの間に新しいつながりを築き、新しい機会を見つけるたびに、この土壌は耕されます。これから1年間、私たちはバーチャルな国際交流を導入します。ロータリーでは、平和は受動的な夢ではなく、懸命な活動、築かれた信頼、そしてしばしば難しい対話の結果として生まれるものです。平和は粘り強く、勇敢に実践しなければなりません。
2006年、私がタイのバーンタリングチャン村を訪れた際、ある女性から美しい貝殻をもらいました。彼女は2004年の津波で家族、家、生計、そして何より生き続ける希望と理由を失いました。しかし、ロータリーが、新しい家や集会所、保育所、医療施設の建設など地域社会を立て直してくれたおかげで前向きな気持ちを取り戻し、希望が与えられたと言いました。そして数少ない所持品の中、彼女が30年以上持ち続けた貝殻を私にくれたのです。この美しい貝殻と、スコットランドの存命する最も偉大なアーティストであるジョン・ロウリー・モリソンさんがよく使用する色を目にするとき、私は2023 ‐ 2024年度テーマを「世界に希望を生み出そう」にすることを決意しました。
新型コロナの流行により多くの人が、身近な人を失ったり社会的つながりが断たれたりすることで傷ついています。教育や対人スキルを身につける機会が妨げられた子どもや若者は最も傷ついています。希望を失う理由は物質的な貧困だけではないのです。世界の多くの地域では助けを求めること、特にメンタルヘルスを求めることは弱さだと考えられていますが、助けを求めることは勇気ある行動であり、幸せへの道を求めることはさらに勇気が要ることです。私はロータリーが会員と奉仕を受ける人の両方を支える組織として知られるようになってほしいと思います。他の人を助けることで、本質的に自分自身が助けられ、その中で培われる友情は連帯意識と仲間意識を育み、メンタルヘルスと幸せのためになります。
次年度の私たちの計画は、世界に平和にもたらし、紛争の影響を受けた人びとを癒すこと、そして、私たち自身の内面的な闘いと向き合うためにお互いと地域社会を支え、助けを求めることに対する社会的な偏見をなくすことです。これらの活動すべてにおける目標は、破壊的な紛争から世界が立ち直れるように、希望を取り戻すことです。そうすれば、私たち自身のために持続可能な変化をもたらすことが可能となります。ロータリーは、平和、機会、生きる価値ある未来の土台を築いています。私たちが得意とすることを継続すると同時に、変化に対してオープンで前向きになり、世界と自分自身の中に平和を築くことに力を注げば、ロータリーはより平和で、より希望のある世界を築く手助けができます。あらゆる地域からのロータリーのリーダーである皆さんに、世界に希望を生み出すよう、心からお願い申し上げます。
エディンバラの王立高校とダンディー大学で学び、口腔外科の大学院学位を取得。2016年までエディンバラで自身の歯科医院を経営。英国小児歯科学協会のスコットランド東部支部会長を務めたほか、さまざまな教育的役職を歴任。また、長老会のリーダー、クイーンズフェリー教区会衆派教会理事会の会長、スコットランド国教会総会のコミッショナーも務めた。
1984年、26歳でロータリーに入会。South Queensferry(サウス・クイーンズフェリー)ロータリークラブに所属し、グレートブリテンおよびアイルランドの国際ロータリー(RIBI)の会長と副会長、RIの理事と委員会メンバー(2022年ヒューストン国際大会委員会アドバイザー、運営審査委員長など)を務めた。
新しいロータリークラブやグループを築くために会員と協力できるのを楽しみにしており、「私のビジョンは、ロータリーの仲間になりたいと思うすべての人、世界でよいことをしたいと願うすべての人が、それぞれに合った方法でどこででも参加できるロータリーとなること」と話す。
英国を拠点とする非営利団体「ホープ・アンド・ホーム・フォー・チルドレン」の後援者であり、同団体とRIBIとのパートナーシップを先導して、ルワンダ大虐殺によって孤児となった子どもたちを支援。開発途上国の人びとや家族、ビジネスに持続可能な人道支援を提供するGrantham Kestevenロータリークラブ(英国リンカンシャー)のイニシアチブ「Trade-Aid」も後援しているほか、国立の精神保健機関であるBipolar UKのアンバサダーを務めている。
趣味はラグビー、グルメとワイン、スコットランドの伝統的な杖づくり。
ロータリー財団は「ロータリーの奉仕を動かす燃料」であるとし、妻ヘザーさん(ロータリアン)とともにポール・ハリス・フェロー、メジャードナー、ロータリー財団のベネファクター、遺贈友の会会員となっている。
孫娘たち(アイビーさん、フロレンスさん)が幸せに暮らせるより良い世界をつくるために、会長として全力を捧げたいと考えている。