沼田ロ−タリ−クラブ社会奉仕事業 沼田市先生の日講演会
沼田ロ−タリ−クラブは社会奉仕事業として、平成24年度「沼田市先生の日」幼小中学校職員全体研修会講演会を開催
鍵山 秀三郎先生をお招きして講演会を行いました。
詳細は下記の通りです。
- 日時 平成24年 4月25日(水)
- 会場 利根沼田文化会館大ホール
- 講師 鍵山 秀三郎 先生
- 演題 『凡事徹底 〜平凡なことを非凡に努める〜』
- 講演内容
昭和8年東京生まれで戦争中19年学童疎開で岐阜県に行き、高校卒業後20才まで農業をしていました。小学校の体験や農業者の経験により忍耐を学び、これらの体験が今までも私を支えています。
若い時の教育、体験が大切であります。
昭和28年東京に行き、36年自転車一台で独立創業しました。一軒づつ回り行商ですが、また来たとじゃまにされ、荷を崩されたり人間扱いされません。鬼のような人が多くいましたが、
してはいけない事を教えてくれる仏様の代わりで、本当の鬼はいません。仏のようにやさしさを感じる人が多く、自分もその様になりたいと今でも思い続けています。
金や物を残す事はだれでもできますが、勇気ある行動を行い、次の世代に何を伝えられるかが大切で、一つでもできれば生まれてきた意義があったと思います。平凡な事を非凡にできるかが課題です。
その最たるものが掃除で、その中でもトイレです。人のやりたくない所をきれいにする。昔は掃除しかできないと蔑まれていましたが、最近は多くの人に理解していただけるようになり、
続けてきて良かったと思います。先日も台湾に101人と行き1500名といっしょに掃除をしてきました。更に国を上げて8万人が一斉に掃除を行いうれしく思いました。北京、ニューヨーク、
サンパウロと世界でも理解してもらい仲間となり更に大きな縁となり、次世代に伝える大切なものになりました。
縁には意義あるのと悪いのがあり、悪縁はすぐに広がります。私欲を捨てないと良縁はつながらず、良縁を続けるには恩を感じ思い続ける事です。恩を忘れると縁は切れてしまい、
感謝の気持ちを大切にする事です。過去への感謝の気持ちが未来への責任感を育むという一対のものです。その思いが強いほど未来を広げる力となります。
どうして掃除を思いついたかというと、両親がいつも掃除をきれいにしていたのを見ていたからです。ほうきのはき目が土に常にあり、入口の格子戸のサンが細くなるくらいでした。
会社も36年1人でしたが経済成長期でだんだん人が増えてきましたが、人手不足なので職を変える人が多く、その様な方は心が荒んでいる人が多かったので荒れた心を落ち着かせるかが会社の課題に
なりました。
まず自ら掃除を行い、掃除しているそばから平気で道り抜けていったり、トイレでも隣で用をたしたしでしたが、続ける事10年でその様な事はなくなり、20年で社員が自ら行うようになりました。
30年目に外部から、トイレ掃除を習いに来るようになり「日本を美しくする会」を作りました。群馬県も富岡に一番目に支部ができました。心を込めて続ける大切さを実感しました。
0から1への距離は、1から千への距離より遠いと言います。無から始める、やろうと思っていてもその一歩が踏み出せない。それができれば後は続けていくだけです。
0と1の差を絶対差、1と2の差を相対差といい、絶対差を大事にして進める事で、その後の一生懸命は絶対差で順番はないのです。一つの事を大事に進めているのを見ている人がいる、
それを実践する事で社風が変わったのです。
トイレ掃除が終わるとごほうびがあります。それも次から次へと広がります。ゴミも同じで1つ拾い、次から次へと拾う事がごほびで、悪事も同じで次から次へと罰が来る。
嘘も一つつくと重ねて嘘で固まってしまいます。
掃除の道具も整理整頓が大事で、ほうき等下げるのにも同じ長さの紐を付け、下の床に付けない。
落ち葉の時期になると毎日葉を掃くのが大変だから全部落ちてから掃くという人がいますが、今落ちたものも後で落ちたものも同じと思う様では鈍感です。ドブ川の掃除を続けきれいにしていれば、
やたらに物を捨てたりしなくなります。荒れている学校は汚れほうだいで、今日きれいにして汚さなければ次の日きれいにする。そのままにせずに毎日片付けきれいにする根気比べです。
生活が上流になってもゴミをちらかしにしては上品ではない。掃除はだれの仕事でもなく、仕事を処理できるのは自分であり、できないのは心が忘れてしまっているのです。
真の幸せは自由の中にあるのではなく、義務を甘受する中にあるのです。
トイレ掃除の研修では、体を固定する姿勢をとり力が伝わりやすくし、どんな汚れも根気よく洗い、水アカをすべてきれいにします。研修者の感想に、
「これまでは掃除をさせられていると思っていたけど、今日その考えが変わり、掃除はさせていただくものと感じられました」とありました。感動を与えられると人は育っていきます。
ニューヨークの回生は有名な話しですが、地下鉄を健全化するのに、落書きを消して窓やシートを直し、無賃乗車を取締り、これを続けた。ダウンタンも同じで小さい事、目の前の事から直し、
まちをきれいにして環境整備を行う事で治安を取り戻し、生活できる場にしていきました。小さな問題を改善していく事が大きな問題の解決になる実例です。
高橋佳子先生の三つの幸せというのがあります。「もらう幸せ」「できる幸せ」「あげる幸せ」。皆様も三つを感じられる日々を教育の中で実践していただきたいと思います。
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