社会奉仕委員会では、第1回目の出前講座を 7月11日に沼田市立沼田東中学校全校生徒172名に行いました。
詳細は下記の通りです。
- 日時 平成23年 7月11日(月) 午前 8時15分〜
- 対象 沼田市立沼田東中学校 全校生徒 172名
- 講師 西田 洽司(株式会社 西田)
- 演題 「朝日と夕日」〜中学時代の原体験〜
- 内容
沼田市長としての16年間で出会った人々の、中学生時代の思いでにまつわる話。 それは不思議と「朝日と夕日=波長の長い光」に関係していた。
- 小渕 恵三氏の場合
- 小渕少年は、中之条の家から菩提寺である迦葉山に父と二人で自転車で良く来た。
その帰り道に眺めた夕日の話を直接総理本人から聞いたことがある。
- 病床にお見舞いに訪れたときに、奥様が「主人は今頃高山村をお父さんと二人で夕日を浴びながら中之条に戻っているところを想像しながら寝てるんだと思いますよ、この夕日に特別な感慨を持っていました」と奥様は話された。
- 政治家として大変なことが起きたときに、その原風景を思い起こしながらいろんな事にあたってきたんじゃないかと考える。
- 中曽根康弘氏の場合
- 兄に、総理の少年時代はどうでしたかと訪ねると、「中学生のころは物干し台に上がって夕日を眺めてましたね。」と話された。
- 総理就任祝いで訪問したときに中学生の思いでをお聞きすると「なんだか分からないんだけど榛名山に沈む夕日を浴びてると勇気が沸くんですよね」と仰った。
- 福田赳夫氏の場合
- 福田さんとは同級生で6Kmの道を高崎中学へ毎日共に通った叔父から聞いた話。
- 「福田さんは特に変わった人ではなかった。毎日いろんな事を話しながら朝日や夕日の中で通った。夕日を浴びる頃になると俄然違っていた。福田さんの原点はこの夕日、朝日にある」と叔父は語っている。
- 伊理正夫氏の場合
- 沼田に疎開していたときに片品川畔に腰をおろして、夕日を浴びながら金井久七先生と話しているときのふるえるような感動が今の私を育ててくれた。伊理氏は後に東京大学教授になられた方である。
以上の方々に共通しているのは少年時代の夕日である。皆さんにもそういう時代が来ている。
中学校の時代には一生で何者にも換え難い大切なものをつかまなければならない。私たちは大震災を経験し、このような困難を克服するときに必要なのは「心の中の景色」である。
今お話した4人の方はすべて夕日を浴びているときである。是非皆さんも心の中に自分だけのふるさとを心の中に作っていただきたい。一生忘れ難い心のふるさとをつくってもらいたい。
一生の宝になる風景を心に焼き付けてもらいたい。そのためには中学生の時が一番合っている。是非中学時代を大事にして心のふるさとを持っている人に なって欲しい。あかね色の空は毎日ありますが、それをどう受け止めるかは皆さんの感性です。是非がんばってください。
- 感想
西田先生にはご多忙のところ本校の生徒育成のためにおいで頂き心から感謝いたします。
先生の豊富な 交流の中から、「朝日と夕日」をキーワードとしてお話頂きました。人類は誕生以来朝日と共に起き夕日 と共に就寝する生活を何千万年にも渡って繰り返してきました。朝日は一日の希望や夢と結びつき、夕日 は一日の感謝と安らかな想いと結びつき、遺伝子に刷り込まれて今日を迎えています。
西田先生の言われる「波長の長い光」は、人間の心の奥深くの根源から沸き上がる郷愁を刺激し、私たちに強い勇気や特別 な感慨をもたらせてくれるのだろうと思いました。
大事を成した人物には心にふるさとがある。時には日常の自然をゆったりと受け入れ、心に焼き付け、これから訪れるであろう人生の曲面で心の支えとして欲しい、そのためには中学時代がとても大切です、 という西田先生のお言葉は生徒の胸に深く刻みつけられたことと思います。今後とも大所高所からのご指導をお願いするとともに、沼田ロータリークラブの活躍をお祈りいたします。ありがとうございました。
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