社会奉仕委員会では、第3回目の出前講座を 9月26日に沼田市立沼田東中学校全校生徒172名に行いました。
詳細は下記の通りです。
- 日時 平成23年 9月26日(月) 午前8時15分〜
- 対象 沼田市立沼田東中学校全校生徒 172名
- 講師 天野 純一(舒林寺)
- 演題 「仏教と椅子坐禅
- 内容
- 仏教の話
- お釈迦(しやか)様が亡くなってから今年で、2577年が経(た)っております。こんなに長い間、諸氏方を通じて、脈々とここまで仏教が成り立っております。その原点にあるのが座禅なのです。
- お釈迦様は、何の不自由もない、享楽な生活を送っていました。あるとき、人生に疑問を感じて、29歳で出家いたします。なぜ、出家するかと申しますと、お釈迦様が住んでいたカピラ城には、四門出遊という習俗があり、そのことによって、出家するのです。
- 今の四門出遊というのは、皆さんが御存じの四苦八苦、最初の四苦というのは「生(しよう)・老(ろう)・病(びよう)・死(し)」です。
- 五つ目が、「愛別離苦(あいべつりく)」です。「愛別離苦」というのは、「愛している人と別れなければならないということです」人生にいろいろと人との別れがありますが、どんなに好きで好きで仕方ないという人とでも、分かれなければなりません。
- 六つ目の苦が、「怨憎会苦(おんぞうえく)」です。「憎んで、憎んでしょうがない人と会いたくはないのですが、会わなければならない」ということです。
- 七つ目の苦が、「求不得苦(ぐふとくく)」です。「世の中が自分の思い通りにならない」苦です。
- 最後の八つ目の苦が、「五陰盛苦(ごおんじようく)」です。「世の中の環境全てが思い通りにならない」苦です。
- お釈迦様は、人生におけるこの四苦八苦をどのように解決するか、そのことを考えるために出家しました。29歳で出家して、35歳でお悟りを開きます。最初、二人のヨガの師長についてヨガの勉強をし、その境地に達します。その後、当時重要とされていた苦行に挑みます。苦行というのは、断食・不眠などの苦しい修行を積むことです。何度も、お釈迦様は死に直面したとのことです。そして、お釈迦様はインドで神木とされていた菩提樹の下で座禅を組み、お悟りを開きました。
- 椅子座禅
- 皆様方に、四苦八苦の煩悩を断ち切るために椅子座禅をしてもらいます。
- 座禅は、調身、調息、調心です。体を整えて、呼吸を整える。そうすると、おのずと心も整う。禅定の精神統一の世界に入るわけです。
- この座禅によって、お釈迦様は自分の人生の苦に対する解決をいたしました。皆様方もこれから自分を磨いて、人生を切り開いていただきたいと思います。
- 最後に
- 道元禅師様のお言葉の中に、「玉は琢磨(たくま)によりて器となる、人は練磨により仁となる」というお言葉がございます。どんなに光り輝いている宝玉も磨かなければその力は発揮されない。人も自分を練磨・鍛練しなければ仁として光らない。お釈迦様も修行をしてお悟りを開きました。どうぞ皆様方も十分鍛練を重ねて仁となってください。
- 私は「人生でかけた情けは水に流し、受けた恩は石に刻む」このように思って生きております。
- 感想
天野先生にはご多用のところ本校の生徒育成のためにおいでいただき心から感謝いたします。
先生の豊富な経験の中から「仏教と椅子座禅」についてお話しいただきました。
仏教の話を聴いて、物事をじっくりとみつめ、課題を見いだす。その課題を解決するために、誠心誠意努力を重ねる。どんなに苦しくとも、そのことから逃げずに取り組む。このように取り組むことによって解決へとつながる。この過程で、人は成長し仁となりえる。また、その行為が、後世に影響を与えていくということを実感しました。
椅子座禅の話と体験からは、体を整え、呼吸を整えることにより、心が落ち着いてくる。何事も、焦らず冷静に考えることが、解決への近道であると感じました。
今日は、高尚なお話をいただき、どうもありがとうございました。今後とも大所高所からのご指導をお願いするとともに、沼田ロータリークラブのご活躍をお祈りいたします。
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