沼田ロータリークラブ



社会奉仕委員会 2011−2012年
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社会奉仕委員会 第6回出前講座

 社会奉仕委員会では、第6回目の出前講座を 1月30日に沼田市立沼田東中学校全校生徒172名に行いました。
詳細は下記の通りです。

  1. 日時 平成24年 1月30日(月) 午前8時15分〜
  2. 対象 沼田市立沼田東中学校全校生徒 172名
  3. 講師 深津 卓也(辰巳館)
  4. 演題 「温もり」
  5. 内容
     皆さん、おはようございます。今日は、沼田ロータリークラブの関係で、このような機会をいただきました。今日皆様にお伝えしたいお話は、「温もり」についてです。皆さんは温泉は好きですか。温泉とは、温かい泉と書きます。出てきた時から温度があるのです。辰巳館の温泉は、谷川岳の雪が解けて利根川となり、その水が土の中に入って温まり、いろんなミネラルを得て、土の中から出てくるのです。ですから、大変大事なものなのです。何て自然の恵みというのは有り難いものなのだろうと思わず手を合わせたい気持ちになります。
     旅館業には、衣食住、全部あります。着る物、浴衣、食べること、温泉、いろいろあります。この間のお正月には、お得意様がいっぱい泊まって、お支払いの時に、何万、何十万と払っていました。お父さん、お母さん、いっぱいお金を払うわけです。本当に大変なことです。皆さん考えてみてください。旅行に行かなくても、旅館に泊まらなくても、生活はできますよね。でも、どうして旅館に行きたいと思うのでしょう。私たちの商売は、形に残らないのです。夕ご飯を食べちゃった。お風呂にああ気持ちいいと入った。お布団を引いてもらってそこで寝た。でも、朝帰る時は何も持っていない。手ぶらですよ。ちょっと満足できなかったから、もう一回やり直す。若しくは、代金を返すということはできません。一時一時がすごく大事な、記憶、思い出の商売なのです。 私たちの商売には四つの感動があると思っているのです。「わぁ〜、すごいな、この部屋。」と驚く感動。仲居さんが一所懸命に赤ちゃんのために食べる料理を準備したり、親切にしていただいたなと、じわじわこみ上げてくる感動。「辰巳館にいって、いろりでいろいろなものを焼いて、お父さん、お母さんに食べさせたいな」という期待をもってくるお客さんがいらっしゃいます。来てみたら思っていたよりもたくさんのごちそうが出て「わぁ〜、すごいな。」と思える感動。期待していなかったのだけれども、帰る時にみんなが手を振ってくれた。思わず、雪の中、窓を開けて「また、来ます。」って言っちゃったという予期しない感動。そういう四つの感動をもっているのが、旅館の仕事だと思っております。
     辰巳館の経営理念の中に、「温泉の温もり」「人の温もり」「炭火の温もり」があります。「ああ、温泉がほんとにいい温泉で疲れが取れた。」「人がほんとに親切で、心温かくて、癒された。」「料理が炭火で、目の前で焼いたおにぎりはおいしかった。炭火の火って、温かくっていいな。」という三つの「温もり」が残ってくれるといいなと念じております。
     皆さんに、一つ伝えたいことがあります。私の大好きな言葉に、「人に接すること春の如(ごと)し」という言葉があります。「春」というと皆さんどんなイメージがありますか。春になると「温かくなってきた。明るくなってきた。風が気持ちいい。」そういう季節ではないですか。ですから、人と接するときは、春風のように温かく、穏やかに、明るく、爽(さわ)やかに接しましょう。という言葉なんです。皆さん、いろいろな人と春のように接していますか。私たちの商売、旅館業、サービス業の中で、「おもてなしの心」という言葉をよく聞きませんか。「おもてなしの心でサービスいたします。」と言葉では言いますけれども、裏では分からない。「おもてなし」ということは、「表ではない」ということです。「皆さんの前では、いらっしゃいませ。よく来てくださいました。」裏では、「ああ、大変だ。こんなことはやってられないわ。」お客さんには、一生懸命頭を下げている。出入りの業者さんには威張っている。これでは「おもてなし」とないえないですよね。 幕末の人で、佐藤一斎という方がいらっしゃいます。その方が「春風秋霜」という四文字の言葉を残しております。「人には春風のように温かく接しましょう。秋の霜のように厳しく自分をみつめよう。」です。「人に優しく温かく、自分にはよし頑張ろうと厳しく。」そう思って生きたいと思っております。ぜひ、いろんな方々と接する時に、春風にように温かく爽やかに接してもらいたいなと思っております。
     寒い季節ではございますが、「人に接すること春の如し」この言葉を今日は皆様にお伝えして、私のお話を終わりにさせていただきます。ご静聴ありがとうございました。

  6. 感想
     深津様にはご多用のところ本校の生徒たちのためにお越しいただき心から感謝しております。お話を聞いて、「一人一人を大切にすることの大切さ」、「どんな人にも、温かい気持ちで、春風のように接することの大切さ」を生徒たちは実感したことと思います。生徒たちは、これからの人生において、「人と接すること春の如し」や「春風秋霜」という言葉を胸に、考え、判断し、行動して、この沼田、そして世界が良くなるように行動していくに違いありません。
    今日は、高尚なお話をいただき、どうもありがとうございました。今後とも大所高所からのご指導をお願いするとともに、沼田ロータリークラブのご活躍をお祈りいたします。