社会奉仕委員会では、第5回目の出前講座を11月12日に沼田市立沼田東中学校全校生徒196名に行いました。
詳細は下記の通りです。
- 日時 平成24年11月12日(月) 午前 8時15分〜
- 対象 沼田市立沼田東中学校 全校生徒 196名
- 講師 西田 俊太郎(株式会社西田 代表取締役)
- 演題 「自分の人生を生きるために」
- 内容
- 最初に就職した会社について
- 親の会社を継ぐ修行のために、仙台にある東北で一番大きいタイル屋さんに就職した。
職人さんが160人くらいいる大きな会社だった。
- その会社はタイルの職人になるための職業訓練校をもっていた。
- 職業訓練校の寮での生活について
- 職業訓練校の寮の子たちと生活を始めた。
- 私みたいな新人はひたすら荷物運び、そして、夜、勉強をするような毎日だった。
汗をかき、倒れる寸前まで、仕事や勉強をする生活だった。
- 帰ってくるのが遅かったので、夜、お風呂に入ろうとすると、生徒たちが入った後だった。
育ち盛りの生徒たちが入ったお風呂なので、汗のにおいのするようなお風呂に毎日入っていた。
- 寮で知り合った子たちについて
- 私はきついなどと言ってはいられなかった。職業訓練校の子たちと触れ合うことで、その子たちの真剣な生き方を目の当たりにしたからだ。
- 職業訓練校を卒業して職人さんになったある子がいた。彼は生まれたときから、親を知らず、
スラムみたいなところで育った。学校があることも知らなかった。警察に発見され、施設に連れて行かれた。職業訓練校に入って5年後の20歳で、親方になった。
- 生まれたときから奇形で、指が6本ある子がいた。彼は「学校でいじめられたりといろいろなことがあった。だけど、ここに来たら、おまえ指が6本あるから、職人になれば人よりちょっと稼げるぞと言われた。だから、俺はタイル屋になるんだ」と言ってがんばっていた。
- 体重が37kgで、小学生みたいな子もいた。「セメントが担げなくて」と言っていた。「自分の体重より重いものを担ぐのは大変だろう。そのうち、担げるようになるから、がんばってみろ」と話をした。しかし、彼は途中で、やめてしまった。やめるときに、「おまえどうするんだ」と聞いたら、「俺、ラーメンをつくりたいからラーメン屋になるんだ」と言っていた。
- この体験から感じたことについて
- 私は大学まで出た。親にずっと甘えて育ってきた。自分の人生なのに、どこか自分の人生ではないように育ってきた。
- 彼らは自分の人生を自分のものとして、自分の責任の中で生きていた。自分で職人になって、技術を身につけなければ、彼らは生きていくことが、稼ぐことができない。だから、本当に真剣にやっていた。
- 最後に
- 仙台の子たちのことを考えると、自分たちのこと、朝起きて、次に何をして、何の準備をして、それぐらいは、自分たちでやらなければと思う。
- 彼らは自分の人生を主体的に生きていた。皆さんも、これからいろいろなことを経験すると思う。いろいろなことにチャレンジしていかなければいけないと思う。今、部活をやったり授業をやったりと大変だと思う。でも、それは、全部自分たちのためだ。やらされているのではなく、自分の人生を生きるためにやっているのだと感じていただければ、今日、お話しして良かったと思う。
- 自分たちの人生、自分たちのものだ。是非、よい人生を、自分のものとして送ってほしい。
- 感想
西田様にはご多用のところ本校の生徒たちのためにお越しいただき、心から感謝しております。
生徒は「部活をやったり授業をやったりと大変だが、それは、やらされているのではなく、自分の人生を生きるためにやっているのだ」と感じたことと思います。また、お話を聞いて、「自分の人生を自分で考え、自分で切り拓いていく」ことの大切さを学びました。
今日は、経験を基に分かりやすくお話しいただき、どうもありがとうございました。
|