沼田ロータリークラブ



2010−2011年
社会奉仕事業 平成23年度「沼田市先生の日」幼小中学校職員全体研修会講演会

 社会奉仕委員会では、社会奉仕事業として平成23年度「沼田市先生の日」幼小中学校職員全体研修会講演会および意見交換会を行いました。
詳細は下記の通りです。

  1. 日時 平成23年 4月22日(金) 午後3時15分〜
  2. 会場 利根沼田文化会館大ホール
  3. 講師 原田 隆史 先生
  4. 演題 『仕事と思うな、人生と思え!』 一に教育、二に教育、三に教育、そして教育
  5. 講演内容
     日頃よりの教育実践に心より敬意を表します。大阪から来ましたので大阪弁で話させて下さい。
     教育には、学校・企業・家庭の三つがありその共通する所をお話しして、元気になっていただきたいと思います。原田式長期目的・目標設定用紙というのがあり、陸上競技で生徒にまず書かせて目標を決めます。 これは企業にも通じます。次に何のための目標なのか目的を聞きます。これを書いた子は、目的は親孝行で、陸上でトップになり無償で高校へ行き、大学にも行きたい。人生のゴールに向かいどう進めるか、 描きながら目標を設定し、自律させていく方法です。
     3つの教育は、リレーしています。企業はビジョンを示し、家庭・学校・企業の連携を「教師塾」で行っています。新聞等の報道で、親殺しや子供虐待が多く伝えられ、なれてしまった世の中です。 教育だけでなく、最低最悪の状況を予測し、最高の準備をして臨み、楽観的に対応するのが危機管理です。教育現場では、この逆になっています。
     問題がある時は、家庭訪問を行い不安な事に対して全員で協議して指導方針を決める事が大事です。私の最初の赴任学校は、家庭内暴力で生徒が亡くなるという荒れた学校でした。 世間も生徒も学校に対し攻撃的になり、私も学校に行けなくなる位追い詰められました。教育はつらいと思いましたが、父に話しをして助けられました。何が悪いか世間は分かるけど、 学校の責任はゼロではない、その責任に対してどう向かって対応するか決めて進まなければ、いやになって仕事を変えても何も変わらない。まず自分を変える事である。生徒指導は、 子供の命がかかっている事で、最低最悪の事態を考えて対応すべきであると教えられました。
     自律型人間をめざしていかなくては成長はない。目の前の結果がよくても内面に人格が足りない様では自律していかず、内と外のバランスがとれるような人に修正し、教えながら人格形成を行うのが教師の仕事です。
     最初の学校を立ち直し、生徒指導によりなんとか学校を普通にもどせました。次の学校も荒れている中学で、地域の環境も問題が多い所でした。20代の先生10名でチームを作り、学校全体で問題解決をしてく事になりました。しかし、問題が多すぎ教師があきらめ元気のない状況でした。目標・目的を持ち未来を予想し作っていく。未来から現在に時は来るのです。
     ある問題女子が人生をあきらめ、親もいない状況で進学は無理とあきらめ、先生も見放してしまっていた。その子の家庭訪問を行って生活状態を見て、卒業した小学校にも行き様子を伺いました。 大学時代の恩師にまよい教えを求めた時、心の奥を見ろ、本当の事を見るには心を見ろと教えられ、その子に向かいました。その子は無断で家庭を訪問した事に怒って来ましたが、急な事はあやまり、話し合いました。 高校進学をあきらめていた所に特待生で無料で進学できる事を知らせ、陸上競技で優勝の目標を本人が設定しました。今まで大人を信用できない生活でしたので、まず信頼をさせる。 家庭内をきれいにして、生活改善もさせたら、心構えが変わり必死に練習をするようになりました。学校も地域から見放されている状況を変え日本一の学校をめざしました。80人全員を高校に特待生として入学させました。 組織の三原則、時を守る、場を清める、礼を正すを行わせるため、指導として主体変容、率先垂範を示しハンズオンの指導をしていく事です。それにより被災者ではなく主体者になっていくのです。
     多くを話してもコップが上を向いていなければ、何も入りません。これも恩師に相談しました。答えは簡単で実行している人のまねをすればいいと、イノベーションはイミテーションからであると教えられ、 陸上の先生を紹介されました。組織再生の三原則を行う事は気持ちが変わり子供の習慣を変えて、自律型になって行く事です。日本一の学校も同じで、ほめられると悪い事はできなくなり、態度教育になる。 そうするとコップが上を向き、理念教育ができ、職能教育へと発展していきます。ニューヨーク市が安全性を高めるには、落書きを消してきれいにする事からスタートしました。
     これらの成果は、修学旅行で発揮され、昨年の様子からホテルは心配していたのですが、今年の生徒はまったく違い驚き、日本一の学校と言われました。これらの基となる態度教育が生徒を変えたのです。
     生徒とのかかわりの種類には「厳しさ」、がんこおやじ的なルールやマナーを守らせ、すさみを除去してコップを上向きにしていく事。「優しさ」、マザーテレサの様に助け教え話しを聞くというカウセリング。 「楽しさ」楽しい子供として盛り上げ楽しませる。この3つが大切です。
     初めての事は難しく迷う事が多いので、イミテーションから入るのが良いと教えてもらいました。富士山を登る目標にするのと、世界のエベレストにするのでは違います。 エベレストにしておけば、富士山はわけもなく登れるでしょう。一番になるには、トップを指導しているコーチにお願いする。年間を通して技術体力だけでない心づくりも行う。 マインドとメンタル両面の指導が必要です。メダリスト達は、人格者からから学び超一流の心を修得します。心づくりは、@心を使う。考えて成功のストリーを描きイメージを上げていく事です。 A心をきれいにする。B心を強くする。継続する事で強化していく。C心を整理する。過去の失敗をすて明日を予測し準備を行う。D心を広くする。感謝の気持ちを持ち他人の話を聞く。
     これらの事を生徒とともに行っていますが本日のテーマ「仕事と思うな、人生と思え」です。我々の先代は、戦後の混乱、私は阪神大震災、今度は東日本大震災、これらの激動を教育者として乗り越え、 明日を育てるのはおもしろみがあります。
     一寸先は「光」です。受け身は極悪。敵は誰ですか「私」です。「タイミング」イズマネー。「思い」はかなうです。
     この地域で頑張る先生、子供達にすばらしい未来を望み、講演を終わります。
  • 東日本大震災義援金 募金活動
    講演会当日、ロータリアンが募金箱を持って東日本大震災の義援金を集めさせていただきました。
    講演会の後に開催された情報交換会でも募金をいただき、総額136,048円集まりました。
    集まりました募金は、沼田青年会議所の東日本大震災支援金と沼田市を通じて赤十字へ寄付させていただきました。ご協力ありがとうございました。
  • 情報交換会
     原田先生、教師、教育委員会、PTA、青年会議所、ロータリーの各会員51名にて講演会終了後開催しました。 ロータリアンと先生方、各団体の方々が原田先生の話、沼田市の教育について熱く語り合いました。また当クラブの社会奉仕事業、青年会議所の青少年開発事業について発表がありました。 原田先生より情報交換会の中で下記にような総評をいただきました。「本日の講演会では本当にありがとうございました。沼田市をあげての大変熱心な取り組みに大変感銘を受けました。 ありがたいことに日本全国から講演のお声掛けをいただき、これまでたくさんの土地を訪問させていただいておりますが、沼田市のような先生方を全面的に応援する活動は他にはないのではないでしょうか。 素晴らしい一日に講演の機会を頂戴したこと、心より感謝しております」